脇の下にある筋肉ですが、こり固まると、猫背や、肩こりを引き起こす可能性がある前鋸筋について皆さんは知っていますか?実は、前鋸筋は、肩の動きや、姿勢の維持にも大きく関係する重要な筋肉なので、今回はこの筋肉を紹介します。
前鋸筋の機能
前鋸筋の機能は、ざっくり説明すると肩甲骨を前に出して、上に回転させることです。こんな説明をすると、多くの人は肩甲骨を意識せずに生活し、肩甲骨を意識的に動かすことは少ないので、意味のない筋肉のように感じる人もいるかもしれません。しかし、肩にとってこの動きは重要であり、これができなければ、肩を上げたり、手を伸ばすのが困難になります。
特に肩を上げるのに前鋸筋の働きが重要です。肩を上げる時は、肩だけでなく、肩甲骨の動きがとても重要になります。詳しく説明すると、肩が60°以上挙げていくと、それ以上肩を挙げるためには肩甲骨の動きも必要になり、肩甲骨も前方と上に回旋します。その動きには前鋸筋が大きく関わり、前鋸筋がなければこの肩甲骨の動きができなくなります。もし肩を挙げる際に、肩だけの動きで行うと、肩を痛める危険があり、痛みを予防する意味でも前鋸筋の活動が必要になります。
ちなみに最後まで肩を上げるためには肩甲骨だけでなく、体幹の伸びも必要になるので、最後まで肩が上げきれない人は姿勢や体幹に問題がある場合もあります。
前鋸筋に関連する症状
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肩がこる
特に前鋸筋と関係するのは、肩甲骨の内側周囲のこりです。これは色々な理由が考えられますが、今回は二つ紹介します。
1つは、前鋸筋は肩甲骨の内側の筋肉(菱形筋)と筋膜でつながっているため、前鋸筋が硬くなると、肩甲骨の内側の筋肉も硬くなってしまうこと、2つは、前鋸筋で肩甲骨が前に引っ張られるため、肩甲骨の内側の筋肉が肩甲骨の位置を正常に戻すべく、肩甲骨の内側の筋肉が過剰に働くことなどが考えられるでしょう。
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猫背になりやすくなる
前鋸筋が短縮すると、猫背になりやすくなります。肩甲骨が前方に移動することで、肩が巻き方になり、姿勢が前屈みになり、猫背になりやすくなってしまいます。
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肩を痛める
慢性的なインピンジメント症候群の人は、前鋸筋のEMG活動が低下すると言われ、また前鋸筋による肩甲骨の制御障害も頻繁に報告されていることから、肩の機能不全には少なからず影響があると考えられます。
また、前鋸筋の機能で紹介した、肩を安全に上げるためには肩甲骨の正常な動きは必要不可欠なものであるため、前鋸筋が正常に働かないと、肩を痛めるのは理解しやすいでしょう。
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(小指側)手先が痺れる
これは、前鋸筋が硬くなると、猫背になることで、頸部への負担が増し、神経の動きが圧迫される可能性があるからです。また前鋸筋のトリガーポイントは、肩甲骨の内側から、小指の先にあり、前鋸筋がこると、上記の部分に症状が起こりやすいのも関係している可能性もあるでしょう。
前鋸筋のストレッチ
前鋸筋は、肩甲骨を前に出す筋肉なので、逆に後に引ければ伸びます。具体的な方法は、以下の通りです。
- 腕を前に組む
- 伸ばしたい側の肘を後ろに引く
- 肘を引いたまま、肘を引いた側の胸を前に出す。
前鋸筋のトレーニング
前鋸筋はのトレーニングで、最も簡単なのは腕立て伏せです。前鋸筋は肩甲骨を前に出す機能があるので、腕立て伏せで腕を曲げてから、伸ばす時に前鋸筋の動きが強くなります。なので、前鋸筋を手軽に鍛えるのであれば、腕立て伏せはおすすめです。