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身体の問題だけじゃない!猫背を治すことが難しい理由

猫背になる身体の原因だけじゃない

肩こりや腰痛など各種問題を引き起こす猫背を治す方法は色々ありますが、実は身体のことを考える前にすることがあります。このことがわからないと姿勢を矯正するのが難しいです。しかし、あまり知られておらず、リクエストがあったので、今回は猫背を正す上で筋肉の問題以外で注意すべきことを3つ書きます。

良い姿勢のイメージがないから、姿勢を直せない

姿勢を治すにも、良い姿勢がどのようなものか、感覚でわからないと治せません。猫背の多くの人は、立って体を真っ直ぐにしようとすると、猫背でなくなっても、お腹が前にでて反り腰になり、腰痛や膝の痛みが出るような姿勢になってしまうことがあります。

そして、長年猫背で姿勢が悪い人の多くは、鏡を見せて正しい姿勢に矯正をかけても長続きしません。正しい姿勢に矯正をかけると、姿勢の違和感を訴える人や、「なんだか前に倒れそうで怖い」と訴える人は多いです。正しい姿勢は、簡単にできるものではなく、まずは正しいイメージと、正しい感覚を見つける練習が必要です。

足裏の重心が著しく後方にあると猫背になる

足裏の重心が著しく後方にあると、猫背を矯正して姿勢を正しくするのは難しくなります。これは人が地球に住んでいるからです。

簡単に説明すると、多くの後方重心の人は、重力で後に倒れそうになる力と戦うため、無意識に上半身を猫背にして、前に体を傾けることで、姿勢の前後のバランスをとります。つまり、多くの後方重心の方の猫背は、倒れないように姿勢を保つための人間の無意識の姿勢戦略です。もし後方重心の人が猫背を解消するために、姿勢を直そうとすると多くの人は、反り腰になります。これは上半身が後に行くと、完全に後に重心が移動するので、倒れないようにするために腰を前に出すことで、前後の姿勢のバランスを保とうとするためです

よって、後方重心の猫背の方に、正しい姿勢を矯正するのはかなり難しいため、姿勢を矯正したいのであれば、まず重心位置を修正するように指導が必要です。

気持ちが落ち込むと猫背になる

姿勢は気持ちや、体調で変化するので、気分が落ち込んでいることや、体調がすぐれない人は、猫背になりやすくなります。

当たり前ですが、落ち込んでたり、食べすぎたりすると、体が丸くなるのはわかりやすいと思います。よって、自分のいる生活環境が精神的に悪い場合も、猫背を矯正することが難しいです。

猫背の治し方の基本のキ

猫背を治すには、上記の内容を改善することがまずは基本です。一番重要なのは、足裏の重心位置を意識することです。姿勢を治すときには、できれば鏡や、他人に見てもらい、自分の姿勢がどうなっているかを確認し、感覚も修正することが必要です。まずは上半身は意識せず、足裏の重心位置だけ正しい位置に持っていくことを意識するだけで、自然に上半身も変わります。

ちなみに後述する足裏の重心移動ができない場合は、正しい姿勢の身体的なイメージや筋肉の短縮の問題でなければ、そもそも骨の異常など身体的に無理な場合もありますので、特にご高齢の場合、できない時に無理に修正をしないでください。特に高齢になると足裏の重心移動が困難になる傾向があるので、危ないと思ったら決してやらないでください。

具体的な方法は立っている姿勢と、座っている姿勢で2つあります。

  1. 座っている姿勢での、猫背の治し方

基本的には少し骨盤が前に倒れる姿勢を維持できれば猫背になりづらくなります。具体的な方法は3つです。クッションを使い、座面を地面から膝の高さより、やや高く調整すること。お尻の部分を少し高くして、骨盤が前に倒れやすくすること。これらができない場合や、強めに姿勢を矯正する場合は、膝を大きく曲げることです。(膝を曲げると四頭筋が骨盤の上についているので、骨盤が前に倒れるため、前方に重心が移動します。)

  • 立っている姿勢での、猫背の治し方

  • 土踏まずから足の親指の付け根の間に重心が置くように意識します。一般的には外くるぶしのやや前に重心があると良いと言われていますが、自分の最適な位置を探してみてください。もし、常に足裏の重心を意識するのが難しいのであれば、おすすめは足袋ソックスを履いて、常に親指の付け根に刺激を与えることです。そうすると、親指の付け根に意識が向きやすくなりますので、後に体重をかける癖がある人には特におすすめです。足袋ソックスの値段はピンからキリまで色々あり、用意しやすいので、興味があれば近くのスーパーで見てみるのも良いでしょう。

    ちなみに正しい足裏の重心位置に関しては諸説あります。踵に乗せたほうが良いという方もいますので、色々試してどこに重心を置けば良い姿勢が保ちやすいのかを検討してみるのが良いでしょう。この違いに関しては、おそらく個々人の姿勢を維持する条件や、考える理論の違いから起こると思います。体のことだけでいうと、例えば、膝や、お尻、胸、肩の位置が筋肉や骨の影響など、なんらかの理由で修正が困難な場合、当然姿勢を維持するバランスは変わるため、猫背を治すための適切な重心位置は変わる場合もあると思いますし、身長や体格の違いによる重心位置は変わるので、良い姿勢の重心位置は変わってくる可能性はあると思います。しかし、絶対に言えることは、人間は地球にいるため重力の影響からは逃れられず、姿勢を維持するためには無意識にバランスをとる必要があるので、足裏の重心の置き方がその人にとって正しくなければ、良い姿勢になるのは難しいと言えるでしょう。

    番外編としては、踵が少し高めの靴を履くのも良い場合があります。昔ハイヒール健康法といって、ハイヒールを履けば姿勢が良くなり、健康にも良いといったものもあるほど、ハマる人にはハマるやり方ではあります。

    しかし、踵が高い靴を履くだけでは、前方重心になり姿勢が改善するとは必ずしもなるとは言えません。多くの人は踵の高い靴を履いていても、膝を曲げることで、お尻を後方に移動し、重心を後方に移動させるパターンの猫背もありますので、やはり足の親指の付け根に重心を置く(前方に重心を置く)意識は絶対に必要です。ちなみにハイヒールは外反母趾や、アキレス腱の短縮といった問題を引き起こす場合もあるため、ずっとハイヒールで過ごすというのは、簡単に人に勧められるものではないので、注意が必要でしょう。

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