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肩こりの施術をするときに考える肩こりの原因

ずっと研究されているが、肩こりはいまだ根絶されていない

肩こりの原因や、治す方法について、かなりの研究や、治験がありますが、現在も完治する治療法は確立されていません。ずっとこの症状は存在していますが、なぜ肩こりはこれほど治りにくく、人類から根絶されないのか、不思議です。

肩こりの原因はまずは筋肉の問題を考える

病気が原因ではない肩こりの多くは、筋肉が原因で起こります。この原因の肩こりは、調べると大きく3つあります。

  1. 慢性的な筋肉の労使
  2. 直接的な筋肉の損傷
  3. 筋肉への血流の低下

これら3つの原因は、理論的、臨床の体感的でも肩こりに関係しています。

3つの原因論は、正しいです。でもあえて批判的に考えます

この3つの原因が肩こりのすべてだと思うと、説明がつかないものもあり、施術はあまりうまくいきません。また、筋肉だけを考えると視野が狭くなるので、あえて批判的に考えてみます。

慢性的な筋肉の労使での肩こり

様々な研究で、関節の動きを抑制して、筋肉が委縮したり、筋肉の固さが生じる研究はたくさんあります。しかし、それは何週も持続して、関節を固定している研究が多いです。好き好んで健常人で肩回りをしばって、何週間も肩の動きを抑制して仕事をする人はいません。

実際に動かないと何が起こるのか、それは生体力学的な視点では、首を曲げてスマホを見ると首に数倍の重さがかかるなど、姿勢とかかる負荷に関しての研究はいろいろあります。

かなりうがった見方ですが、ただ負荷がかかると首が痛くなるという理由だけなら、運動は悪いでしょう。それは、運動すると首が前後左右に不規則に揺れ、さらに運動によっては首にスピードがつくので、首を支える筋肉に大きく負荷がかかるからです。

肩こりは筋肉の微細な損傷から起こる

筋肉に微細な損傷が起こると、カルシウムイオンが増加して、筋肉が固くなり、肩こりを生じます。

たしかに損傷をすれば、筋やまわりの組織に影響がでるのは、理解できます。しかし、筋の損傷って、ずっと治らず続くものなのでしょうか?これが慢性的な肩こりのメカニズムであれば、ずっと筋肉が損傷していることになります。

例えば、筋トレをすると、筋肉の繊維が傷つくといいます。しかし、筋トレ後にその繊維の傷つきが治らず、腕立てを伏せをして、腕が動かなくなったという人は見たことがありません。

筋肉への血流の低下

交感神経の興奮で血管が収縮し、筋肉の血液がとどこおる場合。筋肉が損傷し、浮腫がおこり、それが血管を圧迫する場合があります。このパターンの肩こりは、私の整体院でよくみかけるタイプの肩こりです

これがすべての状況で正しければ、ロシア人や、アラスカの人達など、北方の人々は肩こりが多くなると思います。血管は寒ければ、熱の放出を抑えるために、血管の収縮が起こるからです。そして、北方だから肩こりがひどいと書いている本や論文はあまりみかけません。

肩こりは、ループで考える

肩こりは、上記の3つが大きな原因です。しかし、じっくりと問診を行い、上記の3つの原因のどれかを考えると、これとこれはあてはまるけど、これとこれは当てはまらないことがよくあります。例えば、個別の症例にあてはめると、筋肉の酷使はありそうだけど、微細な損傷は違うなど、と思うことがあります。また上記の3つの原因だけではなく、内臓の疾患での肩こりの場合もあり、3つの原因のどれをあてはめるのも難しい場合があります。だから、すべての肩こりのこれだと一つに原因を限定して、施術をするのは、とても難しい場合が多いです。

肩こりの原因は様々な要素の組み合わせが考えられ、必ずしもひとつの原因ではありません。そして肩こりが起こると、肩の筋肉や血管に色々な症状が起こり、痛みの悪循環にはまる場合もあります。この悪循環のループを考えることが施術をする際に必要なことだと考えます。

下記の3つの例と図は、その悪循環を具体的に何かを現したものです。

肩こりの悪い連鎖の例1

  • 筋肉に微細な損傷が起こる

  • 浮腫が起こり、血管を圧迫

  • 血流が低下、筋肉の損傷が助長

肩こりの悪い連鎖の例2

  • 筋肉に微細な損傷が起こる

  • 血液のカルシウムイオンの濃度が上昇

  • 筋肉の緊張が増加

  • 血流が低下

  • 筋肉に微細な損傷が起こる

肩こりの悪い連鎖の例3

  • 血流の低下

  • 血管に発痛物質が増加

  • 筋肉の緊張が増加

  • 血流の低下

ループで考えるとどこからも流れを立てる

まずは、症状と原因の結果を直線的に考え、元の原因の根本は何かを考えることはとても大事です。しかし、原因を直線的に考えるのが難しい場合や、根治だと推測したことが実は根治でない場合もあります。直線的なモデルで症状を捉える問題は、もしその仮説が間違っている場合でも、間違った思い込みが唯一の真実だと思いやすいことです。そうすると、それがひとつだけの原因だと思い、何度もあまり効果のない施術を繰り返す危険があります。(何個か原因を考えている場合を除く。)

肩こりの原因をループで考えると、ループであればどこからでも原因を断てます。どこかが元の原因があったととしても、それはすでに過去のものです。もし原因をループで考えれば、肩こりの原因として、直接関係があるものか、もしくは簡単に介入できるものか、患者様の心理的・身体的に負担のない原因を選び、施術を行いループを断つという発想ができます。もしあまり関係のない場所を施術をしても、別のループの場所を施術をすれば良いという発想ももちやすいです。そうすることで、患者様に一番無理のない、オーダーメイドの施術ができるのではないかと考えます。

このように患者様に一番無理なく、喜んでいただける施術考えやすいので、私は肩こりをループで考えています。

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