パソコン作業にはガイドラインがある
パソコン作業など情報機器作業をするガイドラインが、厚生労働省から発表されています。このことは以外と知らない人が多いですが、このガイドラインはかなりよくできています。ガイドラインの目的は、事業者が作業者の健康状態を正しく管理し、健康状態に応じた適正な手段をとるためです。
ガイドラインには、照明及び採光、情報機器の選定方法、椅子の選定方法、机の選定方法、騒音の低減、室内の温度など、心と体を守るために色々と環境を整える方法について書いています。
パソコン作業と肩こりは、改めてここで述べるまでもなく関係があります。それは、パソコン作業をしている多くの人が実感している通りです。
研究によると、肩に関する自覚症状1日の作業時間が1時間だと33%、4時間だと42%、9時間だと54%になると言われています。
現在、新型コロナウイルスの感染症でテレワークをする人も増え、肩こりでお悩みの方も増えていると思いますので、厚生労働省が紹介しているガイドラインをベースにして、パソコン作業の良い姿勢を紹介していきます。
パソコン作業の姿勢の注意点
ディスプレイの上端を目よりも下にする
これは目よりもディプレイを下にしないと、顎が上がる姿勢になります。顎が上がると、自然と首が前に倒れて、猫背になりやすくなるため、姿勢が崩れて肩こりなどの症状を引き起こすためだと考えらえます。もしそれ以外にも、顎が上がるような環境があれば、顎を引けるように調整した環境を作ることが必要になります。
ディスプレイと目の距離を40cm以上にする
この距離は目に負担をかけずらく、目とキーボードや書類との距離の間に極端な差が生じないようにするためです。
キーボードを打つときに、腕や手首をのせる台を用意する
そもそも関節を動かすためには、動かす関節より身体に近い関節を固定させることが、とても重要です。例えば、立って腕を自然に垂らした状態で空中で肘を動かすのと、肘をテーブルについて肘を動かす方法を比べてみてください。そうするとテーブルに肘をついて固定した方が楽に動かせます。このように関節を楽に動かし、筋肉の負担を減らすには、関節を固定させる必要があります。
よって、関節を固定させるという意味で、台に腕や手首を載せることは、手や肘を楽に動かすために良いと考えられます。
上腕と前腕の角度は90度以上にする
肘関節は90度以上伸ばせば伸ばすほど、肘を曲げる筋肉が、肘を曲げることではなくて、肘の関節の安定性を高める役割に変わります。肘の関節の安定性を増せば、指を動かす筋肉は肘についてるので、指の筋肉を動かすために関節を安定させていた筋肉の力を緩めることができるので、力を抜いて楽に作業ができるようになると考えられます。
しかし、マウス操作などで、90度よりもやや肘を曲げた方が、肘より上の肩や体幹の良姿勢が保ちやすいという説もあります。
手首を小指側や親指側に傾けない
これは特に小指側に曲げると良くないです。理由は、手関節を下に向けると小指側の組織に圧縮力がかかるので、特に小指側に曲げた方が、痛みの原因になりやすいと言われています。
これらを守るためには、ノート型パソコンよりも、デスクトップ型パソコンの方が、一般的に上記の姿勢がとりやすいです。この理由は、ディスプレイ型はディスプレイとキーボードがバラバラなので、ディスプレイとキーボードの位置を調整やすいためです。